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二酸化炭素回収・貯留という温暖化対策

二酸化炭素回収・貯留(CCS: CO2 Capture and Storage)という手段が温暖化対策として検討され始めている。発電所等で多量に発生するCO2を回収し、地中や海洋に貯留しようとする試みが進んでいる。

CCSは他の温暖化対策に比べて、コスト競争的であり、一部では商業的に現在既に実現している。化石燃料による発電も、促進されることになるかもしれない。

しかし、CCSにはいくつかの問題もある。初めに、CO2の危険性という問題である。CO2は大気中にある濃度では温暖化という問題を除いて、ほとんど無害であるが、カメルーンのニオス湖では高濃度のCO2が多量に発生し、多くの人々が方向感覚を失ってしまうことや命を奪ってしまうことさえ報告されている。この事例は、自然にCO2が発生したものだが、このような危険がCCSにより起きる可能性がある。

また、海中に貯留した場合での生態系への影響、どのような技術でも問題視されるがコストの問題等もある。

長岡プロジェクト

日本でもRITE(地球環境産業技術研究機構)が、新潟県長岡市で、CCSの長岡プロジェクトが行われている。このプロジェクトは商業的なものではないが、多くの知見が得られている。

CCSには、枯渇した油田にCO2を注入するもの、海洋へCO2を溶かし込むもの等、多くの技術が検討されているが、長岡プロジェクトでは地下1000メートル付近の帯水層に注入するものである。帯水層の上には堆積岩があり、この堆積岩はCO2が地中に漏れ出すのを防いでいる。そして、井戸を掘り、圧入しているのである。

しかし、いくつかのNGOからは反対する声も挙がっている。それは、CCSがCO2の漏洩による危険を伴うこと、化石燃料の消費を促進させ、エネルギーの浪費を促してしまうからである。

安全に対する危険は常に伴うが、長岡プロジェクトでは、新潟中越地震の震源から17キロしか離れていないにも関わらず、ほとんど影響を受けていない。

M. ハロウエー(2000)「致死性ガスを噴出する危険な湖」『日経サイエンス2000年10月号』pp.62-71.

H. ハーゾック(2000)「温暖化ガスを封じ込める」『日経サイエンス2000年5月』pp.72-79.

R.H.ソコロウ(2005)「CO2を"埋葬"する」『日経サイエンス2005年10月号』pp.36-43.

「二酸化炭素地中貯留」国際ワークショップ〜世界の動向と長岡プロジェクト〜

IPCC Special Report on Carbon dioxide Capture and Storage(http://www.ipcc.ch/activity/srccs/index.htm)


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