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ジオ・エンジニアリング(Geo-Engineering)による地球温暖化の防止

地球温暖化を止めるために、二酸化炭素を始めとする温室効果ガスを削減することは、もはや難しいという見方がある。京都議定書においては米国と豪国が離脱し、カナダは京都議定書の目標達成を放棄し、さらに日本の目標達成は絶望的だ。さらに、中国などの発展途上国はポスト京都議定書において、削減義務を負うことはあるのかも怪しい。

しかし、一部の科学者は、このような状況になったとしても地球温暖化を防止可能であると考えている。その方法がジオ・エンジニアリングである。

ジオ・エンジニアリングとは、地球環境の意図的な操作である(1)。ジオ・エンジニアリングの具体的な例をいくつか挙げると、大気にSO2を注入することで、アルベドを高めることが可能である。これは、火山が噴火したことと同様の効果を持つのである。過去に大規模な火山の噴火が起こった時は、同じ効果によって気温が下がっている。

そして、CCS(カーボン・キャプチャー・アンド・ストレージ)である。これは、火力発電所で発生するCO2を地中や海洋に注入することで、大気中にCO2を放出させない方法である。

そして、最近ではNatureにおいて、ガイア仮説で有名なジェームス・ラブロック博士らが、海の中に巨大なパイプを敷設することで、藻類の成長力を高め、CO2の削減が可能であるとしている(2)。

ジオ・エンジニアリングという地球温暖化対策は、一部で既に行われている。CCSや海洋に鉄を散布し、植物プランクトンを増加させるような対策は、既に行われている。さらに、CCSをCDM(クリーン開発メカニズム)として認めるかどうかも議論されている。

このような動きには、反対もある。CCSには漏れの問題や、海洋での生物多様性保全の問題が指摘されているし、ラブロックの提案には早速反論がされている(3)。また、大気中のSO2注入には旱魃との関係や(4)、海洋酸性化の問題の解決にはならないという指摘されている。

ジオ・エンジニアリングは人為起源の地球温暖化という地球環境の変化を、人為的な地球環境の操作によって解決しようとする危険な対策である。多くの提案は省エネルギーや再生可能エネルギーの補完的な対策であるべきとされている。だが、現実には、ジオ・エンジニアリングの一部が有望な地球温暖化対策であり、真剣に検討すべきであると考えている科学者もいる。

省エネルギーや再生可能エネルギーの活用は一部で費用効果的であり、気候変動による影響と費用を比べると、割引率等の議論はあるが費用の方が安いという研究もある(5)。ジオ・エンジニアリングを研究すること自体は否定されるべきではないし、温室効果ガス削減が間に合わない場合は、十分なコンセンサスを得て使用されるべきである。しかし、その前に行うことは、まだ多く残されている。

(1)Geoengineering Climate (PDF)

(2)Ocean pipes could help the Earth to cure itself

(3)Geo-engineering might cause, not cure, problems

(4)'Sunshade' for global warming could cause drought

(5)Stern Review on the Economics of Climate Change


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